COVID-19に対応し、世界の企業がアップスキリングを取り戻そうとしています。そしてDegreedのレポートThe State of Skills 2021によると、まだ10人中6人は、現在も進行中の世界的パンデミックと経済危機の結果により、新しいスキルへの必要性が加速していると言っています。
さらに全調査対象者の約半数(46%)が、現在持っているスキルが時代遅れになっていると述べています。脆弱で将来への不安を感じている多くの人は、もし会社が自分たちの能力開発の環境に投資しなければ、現在の職を離れてより有望な環境でチャレンジする可能性が高いと言っています。
『絶えず変化する仕事のあり方と従業員のスキルをシンクロさせることは、私たちの時代のタレント分野に関する最大の課題』と、Degreed社CLOのKelly Palmer氏は述べています。『現在、高度な、かつ従業員にフォーカスしたアップスキル戦略の実施方法を正確に理解することが不可欠となっています。』
アップスキリング:従業員をリテンションする道
COVID-19の流行前でさえ、従業員の継続的な学習に投資し、スキルギャップを特定し、ギャップを埋め、従業員の雇用を守るという差し迫った取り組みが必要でした。アップスキリングは、進化するビジネス戦略に従業員のスキルをシンクロさせ、真のビジネス価値を生み出すために重要です。さらにアップスキリング戦略により、活気のある企業文化が生まれ、従業員のエンゲージメントが促進され、デジタルトランスフォーメーションが加速されるため、企業は新しい市場機会に素早く迅速に対応できます。
貴社タレント予算が逼迫していたり、COVID-19危機の間に多くの企業が直面しているように、運転資金と全社的な流動性の改善に力を注いでいたとしても、従業員の能力開発の障壁である必要はありません。実際、手持ち資金を改善する重要な推奨事項(ディスラプションを逆に利用して変化を促進したり、社内の対応スピードを2倍にしたり、デジタルトランスフォーメーションを推進するなど)には、多くの場合、学習が必要です。
ガイド「従業員をアップスキルする7つのステップ」で、Palmer氏は、高度で効果的な従業員スキルの能力開発戦略を実践するためのアジャイルで反復的なプロセスを示しています。
1. 未来のスキルを特定する
このステップは、今後1〜3年で従業員が必要とする重要なスキルを特定することです。私たちDegreed社の調査によると、世界的に見て、テクノロジースキルだけでなく、リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション、交渉などのソーシャルスキルに対する需要が全体的に最も高いことがわかっています。
金融サービスでは、クリティカルシンキングとデシジョンメイキングも上位にランクされています。またIT業界や通信業界では、デザインとエンジニアリングが等しく求められています。そして小売業などのBtoCビジネス業界やヘルスケア業界にとってはクリエイティブ性が重要なケイパビリティです。
最終的に必要性は、誰であるか、どこで働くか、何をするのかによって異なります。詳細については、State of Skillsレポートをご覧ください。このレポートでは、国、業界、役割ごとに需要を分類して見ることができます。
2. スキルを測定する
このステップは、学習目標を設定し、有意義な方法で進捗状況を測定することができるようになるベースラインを見つけることです。従業員を調査するか、HCMシステム、応募者追跡システム(ATS)、ラーニングエクスペリエンスプラットフォーム(LXP)、または同様のアプリケーションからデータを手動で収集し、行うことができます。しかし組織全体のスキルの全体像を把握するのは困難であり、多くの時間がかかる場合があります。またExcelを使用してデータを管理していることに驚くかもしれません。
別な方法は、断片化され、進化し続けるデータセットの問題を解決する目的で設計された専用テクノロジーを利用することです。人事システムなどのHRテクノロジーと連携し、従業員から最新のスキルデータを継続的に収集でき、従業員スキルを常に最新の状態に保つのに役立つプラットフォームを利用して、ダイナミックな人材戦略を形成できます。
3. アップスキリングの目標設定
このステップの目的は、組織内のスキルギャップを埋めたいターゲットを計画に追加することです。これは、今の従業員スキルのベースラインを元に、貴社組織が必要とする将来のスキルをどのように特定していくかを決定するのに役立ちます。
このステップで、従業員の思いを勝ち取ることができます。目標を貴社従業員に伝えることは従業員の発展を真剣に考えているという思いを与えることができます。そして、将来への希望の一つとして、業務上のストレスを減らすことにも役立つかもしれません。State of Skillsレポートでは、調査対象者の半数以上(55%)が、自分のスキルへの自信のなさが、仕事のストレスを増やしていると言っています。そして、10人に4人(38%)がメンタルヘルスに悩んでいると言っています。
4. 学習をスキルにマッピングする
このステップでは、貴社組織に最適な学習方法(オンライン、チームベース、ピアツーピア、OJTなど)を理解する、ワクワクするステップです。うまくいけばこのステップで、強力な学習文化を醸成するという組織の取り組みが表面化します。
ポジティブな学習ROIを推進する1つの方法は、思慮深いコンテンツキュレーションです。例えば、Visa社では、各従業員の興味やスキルのニーズに合わせたコンテンツキュレーションによって、L&D部門は学習をパーソナライズしてシンプルにしています。さらに一歩進んで、L&D部門は、検索結果、スキルレベル、その他の測定値からのデータを使って、さらに関連する学習資料をより迅速に配信しています。また、Visa社は、各国や地域の従業員に、文化や地域にとって重要な独自のラーニングエクスペリエンスを提供することで、真の意味での人材育成を行っています。(グローバルで一元的にキュレーションされたコンテンツを元に、各地域ごとに再コンテキスト化しています。)
5. アップスキリングの進捗を測定
従業員は学んでおり、新しいスキルを構築しています。そして、物事がうまくいっていれば、貴社従業員の雇用を守るという努力が本格化しています。
もちろん、答えるべきもう一つの基本的な質問があります。それは「従業員は何を学んでいるのか?新しい知識を実践しているのか?」です。Palmer氏は、従業員のスキルの進歩を継続的にトラッキングするためのダッシュボードを作成することを勧めています。指標には、スキルインベントリ、スキルレイティング、スキルプログレッションなどがあり、最終的な目標は、従業員がどのようにスキルのギャップを埋めているかを確認することです。
6. スキルをオポチュニティにつなげる
このステップまで達成している場合、従業員は貴社組織の将来に向け、熱心に取り組み、やる気に満ちている可能性があります。そのため、既存の職務を卒業し、新しい職務で貢献する意欲があります。
このステップの目標は、ダイナミックなキャリアマーケットプレイスを形成することにより、従業員を新しいプロジェクト、ギグワーク、ストレッチアサインメントなどにつなげるためのインターナルモビリティを促進することです。調査によると、社内からステップアップした仕事についている従業員は、同企業に平均41%長く在職しています。
7. 成功結果を伝える
多くの場合、コースの完了情報やトレーニング時間などの従来の学習指標では、CEO、経営層、マネージャー、貢献した従業員、その他の人に、学習の価値を伝えるには十分ではありません。これらの指標は、従業員が学習プログラムにどのように作用したかについての基本的なストーリーを伝え始めることができますが、誰かが実際に何かを学んだことを確認するものではありません。
新しい指標を使って新しい方法で従業員能力開発のストーリーを伝えることで、経営層の関心を引き、学習をビジネス上の重要な優先事項にすることができます。新しい学習指標は、エンゲージメント、ソーシャルラーニング、コンテンツ、従業員が持つ必要のあるスキルに重点を置いています。
リテンションは、生産性、収益の増加、企業組織のビジネス上の優先順位に関連するその他データポイントまでの時間と同様に、重要な新しい指標になる可能性があります。
従業員の適切なスキルで将来に正面から向き合う
私たちの誰もが未来を正確に予測することはできません。しかし、私たちは今何が起こっているのかを把握し、行動を起こすことによって、将来に備えるための最善を尽くすことができます。ビジネス上の課題や業界のディスラプションのためにも、思慮深い人材育成戦略を進めることができます。
アップスキリング戦略を開始する準備はできましたか?詳細はお問い合わせください。ご質問にお答えし、できる限り支援させていただきます。
By Tom Schultz, Content Writer
January 27, 2021
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