top of page
執筆者の写真DISCE

コンピテンシーモデルがうまく機能しない現在、スキルを職務役割にマッピングする!

更新日:2023年11月22日


この記事は、DegreedプライベートイベントDegreed LENS 2019のプレゼンテーションに基づいています。この記事の最後にプレゼンのビデオを掲載しています。


今ではほとんどの人がスキルという考え方が当たり前になってきており、多くの企業は学習をスキルに置き換えようとしています。この変化は1990年代後半に多くの企業の部門名がTrainingからLearning & Developmentに変わったことを思い出させます。


スキルの考え方はL&Dの世界に広まっていますが、人材育成の専門家の多くは、この考え方を自社の既存コンピテンシーモデルと調和させるのが難しいという課題に直面しています。



時代と共に


しかしL&Dとして、このスキルの考え方はまったく新しいものではありません。多くの企業組織ではコンピテンシーマップは数十年前から存在しています。しかし現在スキルギャップが拡大しているように、過去のコンピテンシーマップは今日必要なスキルとは一致していないという現実があります。


コンピテンシーモデルの問題は、急速に進化することに対応できない点であり、承認されて公開される前に時代遅れになることがよくあります。また「顧客対応と同じように共感と優しさで対応しながら問題を適切に解決する」などのように、広範なメッセージの測定方法を本当に理解しているのは誰でしょうか?それこそが組織の結果として得られるコンピテンシー測定プロセスを調整する委員会を持つ理由なのかもしれません。


別の課題はコンピテンシーモデルが、企業価値、リーダーシップコンピテンシー、専門職コンピテンシー、職能別コンピテンシー、個人をハイパフォーマーにする重要な要素など、複数の層に存在することです。それらを定量化するのは非常に難しく、個人に落とし込んで見る時、何が成功要因だったのかを把握するのは非常に困難です。


今日において、コンピテンシーモデルの使用方法を検討してください。採用、昇進、パフォーマンスレビュー、後継者育成計画について、タレントマネジメントで実現しようとしていたこれらの挑戦は、すべて「一瞬の情報」に基づくものだということです。その時点であなたの仕事、キャリア、潜在的昇進につながる能力を完全かつ正確に測定することはほとんど不可能です。



スキルをマッピングする


さて問題を理解していただいたと思うので、次は解決策です。それは、スキルを職務役割にマッピングし、従業員自身の職務役割の改善や、従業員が別の職務に向けての能力開発を支援することです。マッピングしたら、学習していることを測定し、修正し、データを共有します。次の5つのステップで支援できます。



1. 理由から考え始める


スキルを測定する基本的なビジネス上の理由を考えてください。インスピレーションが必要な場合は、こちらのビデオをご覧になり、3社がスキルに重点を置いている理由をご覧ください。


ほとんどの企業の場合、組織の将来を保証する規模、新市場、新製品・新サービスの成長が理由を探る主な推進力となります。


ただし、そこで止まらないでください。データを人々から得る必要があることを忘れないでください。そして、最も正確なデータを得るために、先ほどお話しした「一瞬の情報」を避けることです。もう1つのベストプラクティスは、各個人の「理由」を特定することです。特に組織内の場合、内部モビリティ(社内採用)を検討でき、キャリアの成長につながります。



2. 職務役割にフォーカスする


コンピテンシーモデルが機能しない理由の1つは、その複雑さです。コンピテンシーモデルは階層化され、冗長ですので、同じ間違いを繰り返さないようにしましょう。解決策を検討する時は、手を付け始める重要な職務役割にフォーカスします。おそらく成長している職務役割、ハイパフォーマンス部門から始めることになるでしょう。マネージャーやビジネスアナリストのような水平的な職務役割の場合もあります。または基本に戻り、新入社員の重要なスキルにフォーカスすることもできます。


スキルをできるだけ広く測定する必要があります。データが多ければ多いほど、いうことはありません。私のお気に入りのスキルに関する話は、長年の経験が専門知識と相関しないというDegreed社内で得られた洞察のように、意図しない洞察をもたらすということです。そのためマッピングする職務役割にフォーカスしている間は、組織全体のスキルを把握して測定するようにしてください。



3. 職務役割にスキルをマッピングする


少数の重要な職務役割を選択した後、スキルを職務役割にマッピングします。簡単そうですが、いくつかの共通の課題があります。


多すぎる:コンピテンシーモデルを反省し、やりすぎないようにします。各職務役割について多くのスキルを関連させることができますが、そのアプローチの結果、ふるいにかけるべき多くのデータを持ってしまうことになります。これにより、ステップ1で理由付けした目標を達成するのが難しくなります。言い換えれば、洞察を収集することを難しくします。


クリティカルではない:「多すぎる」ジレンマと関連し、組織がスキルマッピングを過度に包括的になろうとしている例をよく目にします。従業員全員が複雑なスキルをもっているのが現実です。これらのスキルの中には、現在の職務役割の成功に役立つものもあれば、現在の職務役割とはまったく関係のないものもあり、それはクリティカルではありません。クリティカルでないものは、最後に検討すべきグループです。直接顧客と接する職務の人は誰でもコミュニケーションスキルが必要と簡単に想定できますが、その職務でスキルアップの必要性が本当に見られない限り、マップにリストする必要はありません。


トップダウン:DegreedとHarvard Business Publishing Corporate Learningとの最新リサーチ「How the Workforce Learns」は、従業員が自分の持つスキルとスキルギャップを把握していることを示しています。では、なぜ従業員に直接尋ねないのでしょうか?尋ねることで、目標を達成するための良い問と答えが得られます。



4. 測定、モニタリング、軌道修正


測定する必要はもちろんありますが、頻繁にモニタリングし、得られた内容に基づいて軌道修正する必要もあります。あなたがプロジェクトマネジメントスキルに関する状況を見ていて、全員のレベルが同じだということに気づいたとします。測定とモニタリングを行っていましたが、さらに洞察を得るには軌道修正する必要があります。この場合、おそらくプロジェクトマネジメントスキルはハイパフォーマンスを区別するスキルではありません。ハイパフォーマンスは目標を達成するために必要なものです。プロジェクトマネジメントスキルを外し、ビジネスを推進する別なスキルを見つけてください。



5. 洞察を共有する


当たり前かもしれませんが、測定段階で止めてしまうことが多すぎるため、洞察の影響を完全に認識できないことがよくあります。完了率、出席率、学習時間、満足度などの指標を共有している人はまだどれ位いるのでしょうか?スキルの洞察を加えて、さらに重要なこととして、あなたが何をできるのかです。我々が得た「長年の経験が専門知識と相関しない」という洞察の話をしましたが、その洞察は、職務要件の軌道修正と人材プールの開放につながる可能性があり、より多くの成長につながる可能性があります!データ内でそれらの関連性を見つけて、広く共有しましょう。




実践例


これらの5つのステップは素晴らしく聞こえますが、プロセスは複雑であり、実際の状況に落とし込んでみないと視覚化が難しい場合があります。実際にどのように見えたのか、Degreed社内の実例を見てみましょう。


1. 理由から考え始める

利益が縮小している理由を考え始めました。調査を行い、プロセスを作り直し、効率を高めるために従業員をスキルアップする必要がありました。Degreed社内の従業員は、社内の戦略の変化に応じて、社内で活かせるキャリアを成長させたいという要望を表明しています。


2. 職務役割にフォーカスする

プロジェクトマネージャ、ビジネスアナリスト、組織プロセスデザイナーなど、Degreedは、データとプロセス効率に影響を与える3つの職務役割にフォーカスしました。また、プロセスが変更されると、マネージャーが成功のカギになることもわかっています。そのため、職務役割として「マネージャー」も注目しました。


3. 職務役割にスキルをマッピングする

各職務の専門家と話し合う際に、効率向上に関連する4つの一般的な重要スキルを特定しました。プロセス改善スキル、プロセス自動化スキル、データ分析スキル、タスク優先順位付けスキルです。マネージャーのスキルに対しては、変更管理スキル、コーチングスキル、フィードバック提供スキルを重要としました。


4. 測定、モニタリング、修正

データを収集し、従業員の努力を測定できるベンチマークを作成するために、各職務役割の全員にSkill Reviewを完了するよう依頼しました。データ結果では、ビジネスアナリストと比較すると、組織プロセスデザイナーがプロセス自動化スキルの進捗が遅れていることがわかりました。またジョブシャドーイングとアイデア共有のために各職務をペアで行動するようにしました。さらに組織全体では、タスク優先順位付けスキルのデータ結果は期待されるレベルであったため、マップからタスク優先順位付けスキルを外すことにしました。マネージャーには、各スキルに強いマネージャーと、全体的に弱いマネージャーがいます。期限付スキルアッププランを作成し、期限最後に再度マネージャーを測定しました。マネージャー向けの3つのスキルが組織の成功には必要不可欠なため、まだスキルが弱かったマネージャーはマネージャー以外の職務役割に異動しました。


5. 洞察を共有する

毎月、Degreed社内で、社内の取り組みと結果について報告・共有しています。最初のレポートでは、フォーカスした領域とスキルロールマップを特に注視していました。起動修正の後、優先順位付けタスクと同様に、プロセス自動化スキルとソリューションスキルについてスキルアップの必要性がないという驚きの事実を共有しました。ジョブシャドーイングの進捗が進むにつれて、組織プロセスデザイナーのスキルレベルが上がっていることがわかりました。マネージャー対象者の変更も実施され、代わったマネージャーは適切なスキルレベルを実証しました。改善スキルは運用プロセスの10%の効率アップに寄与しており、利益に影響を与えるはずです。


以上です!このように組織内で影響力のある洞察を見つけることができます。貴社のスキル戦略をマッピングするには、Degreedにご連絡ください。



 

By Kristi Broom, Director Of Client Engagement- Growth

December 3, 2019

 

Comments


bottom of page