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大きな変化の中でDEIスキルを軽視することは重大な過ち

執筆者の写真: DISCEDISCE

DEI、つまり多様性、公平性、包括性のためのスキルを身につけるとはどういうことか、また、そのスキルを測定することがなぜ重要なのか、そして、なぜそれがビジネスの成功の鍵となるのかを考えてみましょう。


組織が将来を見据え、競争力を維持しようと努力する中、多くの組織が人工知能、オートメーション、そして新しいテクノロジーを推進するために必要なスキルに過度に注目しています。これらはすべて重要な取り組みです。


しかし、ビジネスリーダーがイノベーションを追求する中で、DEIのためのスキル開発という重要な要素を見落としている可能性があります。多くの企業にとって、DEIをやるべきことのリストから外してしまうことは、取り返しのつかない失敗につながる可能性があります。


失敗しない人などいるでしょうか? アストラゼネカ社を例に考えてみましょう。同社ではリーダーたちが生成AIのアップスキリングのプライオリティを上げて大規模に実施しましたが、「ヒューマンスキルはテクニカルスキルと同じくらい重要である」という結論に達しました。アストラゼネカ社がすぐに認識したように、ヒューマンスキルがなければ、最も技術的に進歩した組織でも目標達成に苦労することになります。なぜでしょうか?重要なヒューマンスキルなしには、テクニカルスキルは潜在能力を最大限に発揮することができないからです。



クリティカルシンキング、創造的な問題解決、異文化適応力といったDEIに必要なスキルは、究極的にはすべて、貴社のビジネスを推進し、その目標に貢献する人々に関わるものです。



DEIに必要なスキルとは?


スキルとは測定可能な開発可能な能力であり、従業員の成長とパフォーマンスを長期的に追跡する明確かつ客観的な方法を提供します。そうすることで、進捗状況の評価、ギャップの特定、個人の能力開発と組織目標の整合するための一貫した枠組みとして役立ちます。


この概念をDEIに適用すると、DEIに必要なスキルは、従業員が包括的かつ公平な環境を育み、DEIの成果を前向きに推進することを可能にする測定可能な能力となります。DEIスキルを測定することで、組織は説明責任を果たし、持続的なDEIの成果を確保することができます。


スキルを重視した学習と能力開発へのシフトが拡大するにつれ、企業が従業員育成にどのように取り組むかが再定義されつつあります。そうしたシフトにより、能力開発と業務との関連性も再構築されています。


これまで、DEIプログラムの評価は困難でした。スキルを重視した枠組みでは、DEIイニシアティブは、参加や関与だけでなく、包括的なリーダーシップから文化的な意識や支援に至るまで、従業員全体にわたる包括的なスキルの開発と応用によっても評価することができます。


「DEI(多様性、公平性、包括性)のために必要なスキルは、技術の進歩と人間の協働の間のギャップを埋めるものです。」


DEIに必要なスキルは、テクノロジーの進歩と人間同士の協働のギャップを埋めるものです。金融企業であるSkandinaviska Enskilda Banken社は、心理的安全性(心理的な安心感)を重視したトレーニングを導入することで業績を向上させ、その結果、知識の共有が促進されました。その結果として、市場セグメントにおいて、収益が目標を25%上回りました。


DEIを測定可能なスキルセットとして捉えることで、企業は自社の取り組みの成果をより正確に評価し、これらの取り組みを全体的な事業目標と整合させることができます。これにより、原則として包括的であり、実践的にも明らかにそうである文化が生まれます。次回、このシリーズの第2弾では、組織にとって優先すべきDEIスキルについてさらに深く掘り下げていきます。



DEIの価値


企業が将来の成功を導くスキルを特定しようと努力する中、DEIプログラミングは優先順位リストのさらに下位に位置づけられつつあるようです。極端なケースがニュースの見出しを飾ることもあり、DEIスキルがかつてないほど重要になっているにもかかわらず、です。技術の進歩は効率の向上を約束しますが、従業員がテクノロジーツールを効果的に活用できるかどうかは、クリティカルシンキング、文化的な意識、コラボレーションといったヒューマンスキルにかかっています。


多様性と包括性を優先する企業は競合他社よりも業績が良いというデータがあります。マッキンゼー社の調査では、経営陣のジェンダー多様性で上位4分の1の組織は、平均以上の収益性を達成する可能性が25%高いことが分かりました。これらのスキルを無視することは、キャッシュフロー、ステークホルダーの価値、そして財務全体の回復力を強化する機会を逃すことを意味します。



今こそ対応を:なぜDEIスキルがこれまで以上に重要なのか


経済的なプレッシャー、労働力の疲弊、かつてないほどの変化の速さの中で、従業員には少ないリソースでより多くの成果が求められています。しかし、協力的で包括的な企業文化がなければ、従業員の意欲や生産性は低下してしまいます。DEIスキルは、すべての従業員が尊重され、受け入れられ、最高のアイデアを提案できると感じられる環境を育みます。こうしたアイデアは、多くの場合、イノベーションを推進し、野心的な事業目標を達成するための鍵となります。


「経営陣が多様である場合、企業が平均以上の収益性を持つ可能性が25%高くなります。」


シスコシステムズ社の「意識の高い企業文化」イニシアティブでは、包括的なチームの構築を重視し、無意識の偏見に関するトレーニングを提供し、リーダーシップの責任を推進する社内リソースグループを育成しています。また、DEIを「事業と目的の核」と考えるAllianz社の例もあります。同社は、DEIが「従業員のエンゲージメント、顧客のロイヤリティ、利害関係者の信頼」にポジティブな影響をもたらすとしています。



潜在的な抵抗への対処


一部のビジネスリーダーは、経済が不安定な時期にDEIスキルを優先させることは贅沢であり、必要不可欠なことではないと主張するかもしれません。しかし、これらのスキルへの投資を怠ると、従業員の士気の低下、離職率の上昇、革新的なアイデアの欠如につながり、最終的には収益に悪影響を及ぼす可能性があります。実際、多様性と包括性を重視する企業文化を持つ企業は、適応力と革新性に優れているため、景気後退時にもより回復力があります。



次に何をすべきか?


来年の目標を設定する際には、DEIスキルの力を見落とさないようにしましょう。これらは単なるソフトスキルではなく、企業業績、イノベーション、従業員の満足度を推進する戦略的資産です。DEIスキルの能力開発を企業の目標に整合することで、より適応力があり、革新的で、競争力のある組織の基盤を築くことができます。


目標設定プロセスにおいてDEIスキルの習得を無視することは、単に機会損失にとどまらず、組織が潜在能力を最大限に発揮するのを妨げる重大な誤りとなります。


 

by Hali Linn, December 12, 2024

 

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