ここで皆さんに質問です。裁判訴訟とラーニングテクノロジーの共通点は何でしょうか?
それは両方ともケースを作成する必要があるということです。ラーニングテクノロジーの場合、企業組織に適したツールとソフトウェアを見つけることから始まりますが、その後のアクションは何でしょうか?経営層にラーニングテクノロジーの必要性を示すために、ビジネス上の利点と投資のケースをどのように作成すればよいのでしょうか?
それに答えるために、RedThread Researchの共同設立者であり、Bersin by DeloitteのL&D Researchの責任者でもあるDani Johnson氏が、Walt Disney CompanyとAT&TとAirbnbの3人のラーニング責任者とディスカッションし、テクノロジーの購入と彼らの組織に導入した経緯について詳しく聞きました。彼らは貴社組織でラーニングテクノロジーのためのビジネスケースを作るためのプランを共有してくれました。
1)問題を特定する
「従来のLMS(学習管理システム)は、1つのコンテキストとその時点の情報でしか設定されていないため、機能しなくなっていることが非常に明確になりました。ですから私たちはどうすればよいかについて取り組みました。そして、学習を含む大規模な人事に関する投資を再計画する戦略につながっていきました。」とWalt Disney CompanyのL&D担当副社長Chris Trout氏は語ります。
巨大な組織では、複数のソリューションを試すことができるネットワーク帯域幅と予算がある場合がありますが、場合によっては全く新たにスタートすることが最善な場合があります。これがAirbnbでの成功した学習戦略でした。Airbnbのグローバルラーニング責任者であるBarry Murphy氏は、「我々は最初に追加投資するのではなく、大胆にも『divest(すべて無くす)』ことに取り組み、既存の学習インフラストラクチャをいったんすべて無くし、ほぼゼロの状態からスタートしなおしました。」といいます。
多くの組織の場合、これは「言うは易し、行うは難し」です。
元AT&Tのラーニング責任者であるAmy Rouse氏は、大規模で完全に統一された企業のプロジェクトの場合、次のことが必要だということを知っていました。それは、多数の異なるプラットフォームを合理化して、これから必要なもののためのスペースを作るために古いテクノロジーを廃止する方法を見つける必要があるということです。
「AT&Tのビジネスケースは簡単ではありませんでしたが必要でした。私たちはパーソナライズラーニング環境を作りたかったのですが、ビジネス上の視点で、新しいもの、もっと良いものに多く費用を投資する理由を証明しなければなりませんでした。」とRouse氏は説明しました。彼女は続けて次のように述べました。「私たちはラーニングアーキテクチャから無くせるもの、これにはLMSを含む最終的に廃れるものを特定しました。そしていつまでに廃止できるのかを明確にしました。このタイムライン戦略は、古いものに対する投資を無くし、新しいテクノロジーのコストとどのように相殺されるかを示しました。これにより、組織の経営層は、古いテクノロジーに使い続けるコストと、ビジネス上の目標により適した新しいソリューションに移行することのメリットを理解することができました。」
2)ビジョンを共有する
「当時はテクノロジーの状況や、人事とラーニングテクノロジーがどのように連携するかなど、いくつかのポイントを調べました。ビジョンを実現するのに役立つテクノロジーを追求したいと考えていました」とAirbnb のTrout氏は述べています。
Airbnbは、ラーニングエコシステムのビジョンに即して、シームレスに統合して必要なすべてを達成できるテクノロジーを探しました。
「ビジョンを経営層へ説明できることが、ビジネスケース作成の最も重要なポイントの一つです。」とJohnson氏は付け加えました。
3)ケースを作成する
そのため、あなたは自社の問題点を特定し、自分のビジョンを経営層と共有することです。これが一番ワクワクする部分かもしれません、ラーニングテクノロジーのビジネスケースを実際に作成する時です。多くの人にとって、複雑で難儀なプロセスかもしれませんが、そうである必要はありません。次の3つの簡単なステップでビジネスケースを作成する方法をご紹介します。
ビジョンから始める 多くの組織は、最新かつ最高のテクノロジーを持とうとしますが、長期的な戦略・目標の達成に役立つテクノロジーを選択してください。
タイムラインの作成 タイムラインに、古いテクノロジーの廃止時期、新しいテクノロジーの採用時期、新しいツールの使用を必要とするビジネスの重要なイベント時期を含めることをお勧めします。
投資する前に廃止する 何が機能していないかを把握し、ROIを生み出していないツールとプラットフォームを廃止し、その予算を再割当てします。
ビジネスをとりまく状況を調査すると、ラーニングテクノロジーが、成長、サステナビリティ、競争力維持、に不可欠であることは明らかです。これは、ラーニングテクノロジーに対するビジネスケース構築がより重要なものになるだけでなく、ラーニングテクノロジー以外の他のすべてにも当てはまります。問題を特定し、ビジョンを経営層と共有し、徹底的なケースを作成することで、順調に進むことができます。
Degreedがラーニングテクノロジーを向上させる方法に興味がある方はお問い合わせください。
By Sarah Danzl, Director Of Communications
February 6, 2020
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