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執筆者の写真 Ryota Kurihara

LENS Lite2021にみた、人材開発の潮流

5月5日に、Degreed社のオンラインカンファレンス「Degreed LENS Lite 2021」が開催されました。今年のLENS Liteを全体的にみると、「ラーニングカルチャー」「ラーニングアジリティー」「アップスキリング」といったテーマが浮かび上がってきました。この3つのテーマを軸に、LENS Lite2021をご紹介します。



ラーニングカルチャー

おそらく、LENS Lateに参加した方の多くは、自社内でラーニングカルチャーを構築しようとしているのではないでしょうか。従業員が成長していくことで、企業も成長する機会を得ることができます。先進的なグローバル企業は、トレーニングの文化から脱却し、ラーニングカルチャーの構築を始めています。


フォードのセッションでは、ラーニングカルチャーの浸透を目指して人材育成に取り組んでいる取り組みが紹介されました。そこでは、atdの定義を紹介していました。atdでは、ラーニングカルチャーを「従業員が個人や組織のパフォーマンスを向上させるために常に新しい知識やスキルを共有し適用しようとする文化」と定義しています。


また、Adam Grantが基調講演の中で、ラーニングカルチャーを作るためのヒントを紹介していました。従業員の観点からすると、「会う人すべてが自分よりも何かを知っていると認識すること」が出発点だと言っています。相手は自分が知らない専門知識を持っている。それを早く見つけて吸収しようとすることで、自分の理解の幅を広げていく。これにより少しずつ文化が作られていきますということでした。


組織的な観点からの場合、ベストプラクティスへの警鐘を鳴らしています。今日のベストプラクティスが明日には違うものになってしまう可能性があります。より良い方法を探し続けるべきだと述べています。



ラーニングアジリティー:

ラーニングアジリティーは、コーン・フェリーが提唱していますが、どのセッションでも重要なポイントとしてあげられています。ラーニングアジリティーは、いち早く知識やスキルを身につけるということだけではなく、新たな分野へ取り組む姿勢や、経験やフィードバックから学ぶ姿勢も含まれます。


TATAのセッションでは、ラーニングアジリティーを会社としての目標の一つとして設定されていることが紹介されています。ビジネスに焦点を当てた能力開発の戦略を生み出し、展開を進めています。

Unileverでは、学習を重要なポイントとおく中、アジリティが今まで以上に重要になっているとしています。


他にも従業員がラーニングアジリティーを発揮できるようにいち早く学ぶ環境を整えたり、学んだことをチャレンジ出来る環境を整えたるというようにラーニングアジリティーを発揮できるような環境を作ろうとして取り組んでいる企業も出てきています。


ラーニングアジリティーについては このニューノーマルの世界では特に必要なものとなっています。これはビジネスだけでなくスキルの鮮度も短くなっているということが言えるでしょう。


アップスキリング:

atdでは、アップスキリングは、「既存のスキルを補強し、新たな、あるいは大幅に強化された知識やスキルを身につけることで、個人が同じ職業や分野で継続して成功できるようにするための取り組み」と定義されています。


一緒に使われる言葉でリスキリングがありますが、こちらは「個人が新しい仕事をしたり、新しい職業に就くために必要な新しい知識やスキルを身につけるための取り組み」と定義されています。最近は両方の意味を含んでそれぞれが使用されている印象が強いです。


基調講演の中で、バージングループのリチャード・ブロンソン卿は、アップスキリングは企業の役割だと述べています。また、FICOでは、ビジネス戦略の核心をスキル位置づけ、ビジネス戦略の優先順位と従業員の育成計画を連動させることに取り組んでいます。



また、アップスキリングに取り組むには、従業員のスキルデータの把握が重要になってきます。今の業務を行うためのスキルを理解している企業は多いかと思います。しかしこのスキルは、明日の業務を行うためのスキルとは違います。Citiのセッションでは、スキルを重視した組織を目指している中の取り組みを紹介しています。


Lojas Rennerのセッションでは、冒頭、リスキリングやアップスキリングがテーマにあがるということは、従業員の新たな可能性を提供する必要があるということだと述べていました。


まとめ

「ラーニングカルチャー」「ラーニングアジリティー」「アップスキリング」は密接に関わっています。どれかに取り組もうとすると必ず他の要素も絡んできます。さらに、今まで以上にスキルを軸にしたアプローチをとっていることが見受けられます。


これは 今までのやり方が もはや通用しなくなってきているとも言えるのではないでしょうか。先進的な企業は新たな形の従業員の育成に取り組んでいます。LENS Lite2021のセッション動画は、Degreed社のサイトで公開されていますので、ご確認ください。


お薦めは2つの基調講演とUnileverのセッションです。特にUnileverのセッションについては、日本語訳を付けたものを弊社サイトで公開しています。もちろん、他のパネルセッションでも各社の具体的な取り組みが聞けるので興味深いです。ビデオのリストをブログの最後にご案内していますので、視聴のご参考にしてください。


Degreedは、世界中の多くの革新的な企業に対して、ラーニングエクスペリエンスプラットフォーム(LXP)を通じて新たな世界に適用するための人材育成を支援してきました。今では、ニューノーマルな世界に挑むために必要なスキルを構築するための支援を行うアップスキリングプラットフォームを提供しています。


Degreedはもちろん、セッションの内容や、アップスキリングにご関心がある方はお気軽にお声がけください。問合せ先:degreed@disce.co.jp


【LENS Lite2021 On Demand セッションのご案内】

British American Tabacco、Tata Communications、Ford Motor Companyの3社によるLXPについてのパネルセッションです。


Adam Grant氏による基調講演です。モデレータは、Degreed社CLOのKelly Palmerさんです。


Richard Branson卿による基調講演です。モデレータは、Degreed社元CEOのChris McCarthyさんです。


Insight222社のDavid Greed氏によるデータ戦略に関するセッションです。


UnileverのCHROである、Leena Nair氏のセッションです。


Citi、Lojas Renner、Ibottaの3社によるキャリアモビリティについてのパネルセッションです。


CVS HealthのTed Fleming氏とDegreed社CCEO(Chief Career Experience Officer)のJanice Burnsさんによるトークセッションです。


FICO、Novo Nordisk、Whirlpoolの3社によるスキルデータ活用に関するパネルセッションです。


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