昨年は、月平均390万人が離職し、過去最高平均値を記録してしまいした。業界の専門家は、今年はこの割合が減少すると予想していますが、企業間の人材獲得競争はすぐには止まりません。このような状況の中、経営層は従業員の長期的な学習の旅とキャリア経験を満足させるために十分なことをしてきたか、もししてきていなかったら、どうすれば改善できるかと、社内のことを考えるようになってきました。
Degreedのコアバリューの1つは、すべての人が学び、成長する機会を持つべきということです。そのため、私たちはアップスキリング戦略を自問自答するUpskilling Strategy Auditを作成し、何がうまくいっているかを確認し、最大の課題を評価し、解決策を見出すのに役立てました。その結果、私たちは多くのことを学び、貴社の成功を支援するためのコンテンツやツールのパーソナライズされたパスウェイを構築しました。それは、あなたに直接届けられるものです。まだの方は、Upskilling Strategy Auditに答えてみてください。
その結果、大企業から中小企業まで、何が不足し、何が機能し、何が求められているのか、といった洞察が明らかになりました。この3部構成のブログシリーズは、L&Dの状況を理解し、参加率を高め、洞察を最大化し、社員に実際の学習機会を提供できるようにするためのものです。最終回となる今回は、スキルベースの学習方法を用い、経験的な学習機会を取り入れることで、キャリア経験を向上させ、貴社組織への定着率と社内の流動性を高める方法に焦点を当てます。
なぜ経験型学習なのか?
L&D部門はこの困難な時期に奮起し、社内からスキルギャップを埋めるという新しいアプローチに注目しています。アップスキリングと学習への投資により、L&Dのインパクトは歴史的な高水準にあります。しかし、ご存知のように、人は学んだことを実践しなければ、学んだことを失ってしまいます。学習とアップスキリングへの投資は、キャリア経験を向上させるための最初のステップです。次のステップは、経験的な学習機会を提供することです。
それはどのようなものでしょうか。例えば、Microsoft Excelの操作についてもっと学びたい人がいるとします。彼らはまず、記事を検索し、ビデオチュートリアルを見て、自分の時間に実践することから始めるかもしれません。しかし、学んだばかりのスキルを継続的に実践していなければ、上達は望めませんし、学んだことを忘れてしまうかもしれません。本当にスキルを身につけ、目標や期待を達成するためには、経験的な学習の機会が必要なのです。これは、ストレッチ課題であったり、Excelの専門家からの指導やガイドであったり、新しいスキルを職場や実社会に適用できる能力であったりします。
経験学習の重要性は、研究でも確認されています。「ELT(経験学習理論:experiential learning theory)は、行動/反省、経験/抽象化という2つの弁証法の解決によって駆動する学習サイクルに基づく、学習のダイナミックな見方です。著者のAlice Y. Kolb氏とDavid A. Kolb氏によれば、「これは、学習を人間全体に関わる人間の適応の主要なプロセスとして定義した、全体論的な理論である」といいます。
つまり、経験学習の機会では、概念を学び、作業を行い、その作業を振り返ることで、目の前の課題を達成できるようになるということです。
このように科学的に裏付けられた経験的学習機会の利点があるにもかかわらず、これまでの回答者の58%は、仕事上の学習をトラッキングする方法を持っていない。さらに、従業員が社内で成長する機会を検索できるシステムを複数導入している回答者は23%しかおらず、回答者の大多数が学習と機会を積極的に結びつけていないことが明らかになりました。
Google検索では、最初の10件をクリックする傾向が強いという研究結果が出ています。これは何を意味するのでしょうか?アクセスしやすく、見つけやすいものであればあるほど、誰かがそれをクリックし、相互作用する可能性が高くなるのです。
これと同じ考え方を、会社組織内の機会を見つけることに応用してみてください。どうすれば、従業員が自分のキャリアを向上させる機会を簡単に見つけることができるのでしょうか。それはオポチュニティマーケットプレイスを形成するのです。そこでは、すべての従業員が仕事をこなしながら学んだことを実践し、普段は接点のないコーチやメンター、マネージャーからすぐにフィードバックを受けることができます。
そして、このオポチュニティマーケットがDegreedのようなスマートなプラットフォームと直感的につながっている場合、L&D部門のリーダーの作業負担は大幅に軽減されます。なぜでしょうか?従業員はすでに毎日Degreedで学習しており、従業員がすでに作り上げた習慣の中で経験型学習機会を簡単に見つけることができるからです。アクセスしやすさもさることながら、Degreedのようなスマートなプラットフォームでは、従業員のプロフィールに基づき、関連性のあるパーソナライズされた機会に簡単につなげることができるのです。
なぜスキルなのか?
キャリアを向上させるために従業員が最も多くの機会を利用できるようにするためには、スキル開発とデータを活用することが重要です。HRテクノロジストによると次のように言っています。
『どの組織でも、L&D部門の主な責任は、まず、従業員がビジネス目標に貢献し続けるためにどのスキルを開発する必要があるかを特定することである。そして、このスキルギャップを埋めるために適切なプログラムを構築する必要があります。』
データ(信頼できるデータ)を使用しないシステムでは、人々はインフォーマルな経験や口コミで、誰が組織でどんな機会を得るかを判断します。このような非科学的な要因によって、再帰性バイアスが働くようになるのです。
回答者の大多数は、社内の成長機会をつなぐためのスキルベースの手法の導入に苦労しており、76%が「現在そのような手法を持っていない」と回答しています。多くの組織がコンピテンシーモデルなどの現行モデルに満足していますが、スキルベースのモデルは、現在のキャリア経験の状況により適している可能性があることが分かっています。
スキルのメリットは何でしょうか?スキルは数日、数週間、数カ月で開発でき、時間をかけて実践で向上させることができます。またスキルは測定し、標準化することができます。Degreedでは、ルミナ財団が考案した評価の仕組みを使っています。成長を測定し、進捗状況をトラッキングし、従業員に実践学習の機会を提供することができます。スキルは、企業、役割、プロジェクト、タスクを超えて移行可能です。
スキルは開発され、測定可能で、移転可能であるため、その人がどのような仕事をしているかについての推測に頼る必要はもはやありません。その人のスキルが何であるかを知ることができるからです。また、Degreedのように、学習、スキル構築、およびキャリア機会を日常的に提供するプラットフォームがあれば、貴重なスキルデータがすでに利用可能であり、分析することができます。
キャリア経験を機会につなげる
成長・発展の機会は従業員にとって重要性を増しており、いくつかの調査では報酬よりも重要視されています。Gallup社によると、ミレニアル世代は理想のキャリア経験をイメージする際に成長・発展の機会を優先しており、過半数がキャリアの流動性と仕事で学ぶ機会を優先しているといいます。しかし、過去30日間に何か新しいことを学んで仕事に役立てたいと強く思うミレニアル世代は39%に過ぎません。
このことは、貴社にとってどのような意味を持つのでしょうか。従業員の育成とキャリア経験について、もっと積極的に考えるべきです。
成長の機会に対する要求が高まり、キャリア経験と能力開発に注目が集まっているにもかかわらず、Degreedの監査の回答者の大多数(54%)は、成長の機会を可能にするためのプロセスを備えていないと答えています。
従業員の学習、スキル、機会を優先するためのデータ、ツール、プロセスを中心に設計された新しいL&Dモデルへの移行が進んでいると言ってよいでしょうが、このモデルに実行を移すには何が必要なのでしょうか。
鋼管の世界的な製造・供給会社であるTenaris SA社を見てみましょう。Tenaris社は30カ国にいる22,000人の従業員に、社内流動性を通じて学習とキャリア経験のオーナーシップを与え、エンゲージメントとスキル開発に即効性のある効果を生み出しました。
従業員のキャリアを向上させ、会社に留めるには、スキルを身につけるだけでは十分ではありません。真のビジネス価値を生み出すには、OJTが経験学習と結びつけばよいのです。これこそが、学習と成長のための適切な機会を創出する、未来のL&Dの姿の核心なのです。
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By Christiana Torres, Content Coordinator
March 2, 2022
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