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執筆者の写真 Ryota Kurihara

ハイブリッドワークプレイス時代の従業員の学びのスタイルを紐解く



・ハイブリッドワークプレイスの時代になってきた

テレワークの実施、副業やジョブ型雇用の始まりなど、この1年で企業における働き方に大きな変化の波が押し寄せてきています。この変化の中、「ハイブリッドワークプレイス」が一つのポイントになってきているのではないでしょうか。


ここでいう「ハイブリッドワークプレイス」とは、従来のように決まった働き方ではなく、リアルとオンラインといった異なる職場環境や、副業のような異なる働き方が組み合わさった職場環境を指します。例を挙げると、次のような環境を想定しています。


・場所のハイブリッド:オフィスワークとリモートワークのハイブリッド

週に数日オフィスに出社し、他はリモートで働くという環境。リモートの場所も、自宅やバーチャルオフィスや、飲食店やホテル、もしくはワーケーションという選択もあります。


・時間のハイブリッド:ビジネスとプライベートのハイブリッド

9時から18時までが業務時間という概念が変わりつつある。例えば6時から8時まで働き、8時から10時までは、子育てや介護の時間にあて、11時から再び業務に戻るという働き方も受け入れられ始めています。


・雇用のハイブリッド:副業している社員が特別ではない環境など

社員だけでなく副業で働いているメンバーやギグワーカー、他部門の社員などで構成された組織で通常業務を行うことが普通になってきています。


・地域、国のハイブリッド:遠隔地、海外の社員の組織

同じオフィスにいる社員で構成されている組織ではなく、勤務先が違う社員や、さらには海外の社員も含んで構成された組織で通常業務を行うことが当たり前になってきています。


単にオフィスで仕事をするのか、リモートで仕事をするのかという場所の話だけではなく、時間や業務内容を含めて多様な働き方が増えてきています。これは、テクノロジーや生活様式、ビジネスモデルなど多くの変化が起こってきている中の一つではないでしょうか。


実はDegreed社は、ハイブリッドワークプレイスを実践している企業です。複数の国のメンバーが一つのチームに構成されビジネスを進めています。その内容はこちらのブログを見てください。


・人材育成に起きている変化


そんな中、人材育成、特に学習においても変化の波が押し寄せています。集合研修は、オンラインクラスルームでの実施が増え、eラーニングの展開も増えています。このように集合研修が中心だった企業の人材育成もデジタル化への対応が進んでいます。


それでは、ハイブリッドワークプレイスにおける人材育成はどのような要素が必要なのでしょうか。デジタル化もその一つですが、それ以外の要素を考えていくには、従業員がどのように学んでいるかを認識する必要があります。


Degreedが行った調査結果によると、従業員は企業が実施している学習の最大5倍の時間を自己学習に費やしているそうです。そして実際のところ、従業員は、企業が実施している「フォーマル」な学習だけではなく、日々「インフォーマル」な学習を行っているということが見えてきました。


では、実際に従業員はどのように「インフォーマル」な学びを行っているのでしょうか。

多くの従業員は、わからないことはすぐにWebで検索しています。そして、記事や動画で学んだり、同僚や上司から教えてもらったり教えあったりという学びかたをしていることが浮かび上がってきました。



このことは、企業が実施している「フォーマル」な学習だけでは、職場でパフォーマンスを発揮するには足りないということでしょう。そこを埋めているのが「インフォーマル」な学習ということになります。


これらを踏まえると、従来型の研修の提供方法をデジタル化するだけでなく、ハイブリッドワークプレイスに向けて変化していくタイミングが来ていると言えるでしょう。


変化のためにはまず、現状を確認することから始める必要があります。Degreedの調査結果でも全体的な方向性を見ることができますが、これを機会に、自社で行われている学習の見直しをしてみてはいかがでしょうか。Degreedでは、簡単な診断ツールを作成しました。ハイブリッドワークプレイスにおける人材育成を見据える一つの指標になるかと思います。

詳細な調査レポートと診断ツールについてはこちらからダウンロードできます。


・ラーニングからスキリングへのアプローチへ


企業が提供している研修だけでなく、「インフォーマル」でも学びを行っている従業員ですが、調査結果からは、現在おかれている状況についての課題も見えてきました。

従業員が学びの環境について問題視している上位3つは次にようになります。

・業務が優先のため、しっかりとした学習時間が取れない。

・適切なガイダンスや方向性が得られない。

・学習すること自体を評価してもらえない。



学習時間の制約について、学習する時間がない、もしくは作れないという回答が半数近くを占めていました。一方、学習の86%は45分以内の短い時間で行われているという報告もあります。このことは、時間の無い中で学習を行っていくことができる環境が求められていると言えるでしょう。


参加者にとって魅力的な研修を準備することは有用ですが、ハイブリッドワークプレイスにおいては、それだけでは十分ではありません。短い時間で、必要なタイミングで学ぶことができる環境が必要なのです。


ガイドや方向性については、スキリングへのシフトがポイントになってきます。人が学びたいと考える原動力は、個人的な利益に関与することがほとんどです。これは、従業員のエンゲージメントを高める最も強力な要因の一つです。調査結果でも、自分のスキルギャップに合わせた学習が役立つという声が61%。自分が改善すべき点を見つけるアセスメントが役立つという声が48%となっています。


どの研修を受けるかではなく、どのスキルを身につけるかという指標で方向性を示すことがより従業員の学習を支援できるようになります。


学習に対する評価についてもスキリングがポイントになります。研修内容を理解し、身につけたかどうか。そしてそれを業務で活かしているかどうかという観点ではなく、業務に必要なスキルを身につける行動をとっているかどうかという観点であれば、活動への評価を行いやすいのではないでしょうか。また、マネージャがスキルアップという目標に同意していれば、学習の推奨や学習リソースの紹介だけでなく、そのスキルを伸ばす機会を設定することもできるようになります。今まで以上にマネージャが学習行動の評価や、フィードバックを通じて従業員のパフォーマンス向上を実現することができるようになります。



先進的な企業においては、このような結果を元に、学習のためのコンテンツを増やすのではなく、学習のための環境を整えて始めています。スキル開発を日常的に行う環境を用意し、従業員が学習習慣を身につけ、その習慣を続けられることをサポートすることに注力しています。


ビジネス環境の変化から、リスキリングやアップスキリングといった、新たなスキルを身につける取り組みが進んでいますが、ハイブリッドワークプレイスにおける学びのスタイルの観点からもスキリングのアプローチは着目すべき点ではないでしょうか。


スキリングへのアプローチを知りたい方はHWL2019の完全レポート(英語)をご参照ください。


その他、先進的な企業の取り組みについて、弊社ブログでご紹介しています。合わせてご一読ください。


従業員のリスキリング、アップスキリングを推進し、ラーニングアジリティを高めることは企業の成長に欠かせない取り組みとなっています。率先して人材育成に投資している企業はアップスキルプラットフォームであるDegreedを選択しています。Degreedについてご関心を持たれた方はお気軽にお声がけください。



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How the Workforce Learns:調査について

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