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ラーニング・アジリティを活用したポジティブな学習文化をいかに醸成するのか

更新日:2023年11月22日


私はクライアント・エンゲージメント・パートナーとして、お客様が達成したいビジョンについて、さまざまな話を聞いてきました。


『グロースマインドセットを社内に浸透させたい』


そして.......


『学習者に自分の学習に責任を持たせたい』


さらに.......


『将来のビジネスに必要なスキルを身につけさせたい』


これらのことから、ラーニング・アジリティ(学習の俊敏性)を高め、加速させたいというビジョンを持っていることがわかります。




ラーニング・アジリティとは


ラーニング・アジリティとは、学ぶ、忘れる、再び学ぶ、という3つのポイントすべてにおいて柔軟性を維持する能力のことです。ラーニング・アジリティは、個人、チーム、リーダー、事業部門にとって、驚くほど重要な意味を持ちます。


ラーニング・アジリティは、学習文化を創造する上で重要な組織的なスキルであり、それは、組織全体の人々が時間をかけて多くの決定を行った結果です。考えてみてください。貴社の組織文化は、貴社が設立されたときに突然出現したわけではありません。組織文化は何年もかけて成長しますし、場所や部門やビジネスユニットによっても多少異なるかもしれません。


大げさかもしれませんが、文化や働き方の変革は一朝一夕にできるものではありません。ラーニングテクノロジーのエコシステムを、現在市販されている最高のプラットフォームに切り替えたとしても、変化を始めることができるだけです。プラットフォーム自体が完全な成長と変化を意味するものではありません。



ラーニング・アジリティの醸成の仕方


企業文化の変革は、選んだ山に登るようなものだと言えるでしょう。どんな山でもそうですが、一歩ずつ進むことが必要です。あまりに早く進みすぎると、自分の足でつまずく危険性があるからです。


では、最初の一歩は何でしょう?それは、必要なチームや道具などのベースキャンプを事前に整えることです。テクノロジーベンダーを選定する前に、この作業をしっかりと行ってください。次に、従業員を巻き込み、常に改善し続けるために反復し、そして最後に、ポジティブなビジネス結果を導き出すことです。


それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。



ベースキャンプの構築


ベースキャンプの構築は、イニシアチブ、取り組みのための準備のすべてです。


経営陣や部門長と話をする これはオプションではありません。自社の中期計画書などの戦略文書を読み、L&D部門やタレント部門の同僚以外にもコンタクトを取りましょう。そして次のことを聞いてみましょう。「自社の戦略目標は何か?」「これらの目標を達成するために、チームにはどのようなスキルが必要か?」「従業員はどこで苦労しているのか?」


従業員に焦点を当てた監査を実施する 従業員がどのように学習しているか、仕事や趣味に必要な情報をどこで得ているか、どのようなプラットフォームを使っているか、などをを調べます。例えば、従業員は業務外でフォーマルなコースを受講しているか?お気に入りのブログやインフルエンサー、雑誌は何か?キャリア目標に不可欠なスキルは何か?などです。


多くのデータを得ることができます。得たデータを分析し、構造化することに全力を尽くしましょう。しかし、完璧を良しとしないことです。


ビジネス上の重要なスキルをリストアップする

主要なリーダーから必要な情報を得ることです。これは、既存のコンピテンシーモデルを再利用することではありません。その代わりに、貴社のビジネス戦略にとってカギとなるスキルが何かを考えてください。このデータは、スキル戦略の基礎となります。


テクノロジーについて考えてみる

私たちが、このことを最初に列挙しなかったことに注視してください。現在のテクノロジーが貴社のラーニング・アジリティを支えているのか、それとも、ラーニングテクノロジー群を変化させる必要があるのかを検討するのです。


ラーニング部門とIT部門をアップスキルする

学習文化の導入を担当するチームには、さらなるテクニカルなスキルと、マインドセット(考え方)の転換が必要であることを、私たちは何度も目にしてきました。これは大きな変化であり、時間がかかります。


ラーニング部門の担当者は、アジャイル手法にどの程度慣れていますか?貴社組織は、ラーニングテクノロジーのエコシステムを立ち上げるために、最低必要限の製品を取り入れていますか?貴社の学習に関する取り組みを企画する担当者は、実際の学習者で企画をテストする習慣を持っていますか?取り組みを組織全体にアナウンスしていますか?ビジネスと人材戦略に関するチームの基本的な知識はどうでしょうか?これらはおそらく、アップスキルが必要な領域です。



エンゲージ


ベースキャンプの準備ができたら、次は登るプランを立てましょう。理想的には、テクノロジーベンダーと関わる前に、スキル戦略について十分な考えをもっておくことです。テクノロジー導入に「着手」しようと意気込んでいるときに、立ち止まり、戦略を立てるように言われたら、戸惑うかもしれません。とはいえ、Degreedは喜んでそのお手伝いをさせていただきます。


私は、お客様が初めてDegreedを導入する際に、次の4つの基本的なスキル戦略のうち1つを選択するのをよく見ています。

  1. 戦略的スキル 従業員のほとんどが対象者となるスキルで、貴社ビジネス戦略にとって重要な限定的なスキルセットです。

  2. 将来の仕事に必要なスキル すべての企業にとって重要であると定義された、人気のある未来志向のスキルです。

  3. ある部門にフォーカス 営業部門やラインマネージャーのアップスキルが戦略的に必要な場合があります。最初の立ち上げ時では、これらの人々に焦点を当てることを選択するケースです。

  4. 職種のフレームワーク ラーニングテクノロジーを展開する際に、コンピテンシーモデルを取り入れたり、再利用したりしないことです。範囲が大きくなりすぎると、コンテンツ・キュレーションの細部にまで手が回らなくなります。シンプルに保ち、繰り返し見直しを行いましょう。


どのような戦略であれ、試験的な対象者の母集団を選んでテストするのは良いことです。できる限り幅広い母集団を選びましょう。試験的な母集団は、より大規模なローンチのためのデータを提供します。


最初のローンチができたら、今度は全体の学習者層とビジネス部門に、何ができるかを知ってもらう番です。学習者はしばしば、「時間がない」「何を学べばいいのかわからない」「上司が学習することを推奨していない」と言います。マネージャーも個人も、学習することに時間を費やしているのを見られたら、チームから「仕事をしていない」と判断されることを恐れています。

出典:DegreedとHarvard Business Publishingの共同リサーチ、How the Workforce Learns 2019年版


実際に使われている次の方法で、これらの一般的な反対を克服してください。

  • 業務中の一定の時間を学習に充てることを経営陣から賛同してもらいましょう

  • 経営陣に取り組みを宣伝してもらい、学習することを「やるといいな」ではなく、「期待されている」ものであることを共有してもらいましょう。

  • 最近学んだことや、学習した内容が自分たちに与えた影響について、部門のリーダーたちから公に話してもらいましょう

  • 認知された社内の専門家が社内の人材を育成する実践の共同体を作りましょう

  • 取り組みのプロモーションにもつながる、事業部門(L&D部門ではなく)の熱心な学習者、ヘビーユーザーからなる「チャンピオンズ」グループを検討しましょう

  • コンテストを行い、賞品や表彰を授与することで、ラーニングマインドを促進しましょう。

  • 今後の取り組みについてのロードマップとマーケティングカレンダーをしっかりと作成しましょう。


導入戦略の一環として、次のようなレポートと価値実現プランを作成しましょう。最初の3〜6ヶ月で何を測定するのか?その後、何を測定するのか?事業部門は何を測定することに興味があるのか?(TIPS:学習コンテンツを学習した時間は意味がありません。)



反復する


これを読んで、「反復?もちろん重要だよ!」とおっしゃるでしょう。しかし、「万能であれ、万人であれ」というプレッシャーを受けると、あなたの決意は崩れ去るかもしれません。自分の仕事に終わりはないことを認識しましょう。最初のローンチは完璧である必要はありません。データを収集し、微調整を行うために十分であればよいのです。


経験豊富なDegreedの既存のお客様は、新しいお客様へのアドバイスとして、「最初のローンチですべてを出し切らなければならないというプレッシャーを自分に与えないこと」を挙げています。もしそうしてしまうと、後で学習者の興味をそそるような新しい情報が得られません。


プロトタイプを作り上げ、少人数の実際の学習者でテストを行い、フィードバックを集めて調整しましょう。きっとできます。


Cargill社のラーニング部門のリーダーが実際にどのように行っているかを聞くために、オンデマンドマスタークラスをご覧ください。



ビジネスの成果を上げる


あなたは「山頂に着いたとき、どんな景色が見えるのだろう?」と疑問に思うかもしれません。その答えは簡単です。ビジネスが学習を推進するのです。このシンプルな言葉は、個人、チーム、そして組織のリーダーによる多くの日常的な行動の変化から作られます。


山の頂上に到達したお客様は、最終的にL&D部門が、学習を実行するのではなく、学習の環境を整えるように変化します。成功を収めたお客様のストーリーを思い浮かべてください。このお客様は、優れた学習設計の基本と同様に、どのようにDegreedを使うのかということを正式に認めた事業部門の代表者による「チャンピオンズ」プログラムを実施しています。「チャンピオンズ」は、事業部門のリーダーがビジネスクリティカルなスキルに学習価値を迅速に提供できるよう支援しています。


一方、L&D部門は、学習目標と成功基準を特定し、優れたコンテンツをキュレーションし、結果を測定するために「チャンピオンズ」をコーチします。この「マスター・キュレーター」アプローチは、事業部門のSME(主題専門家)と学習の距離を縮めます。最終的には、開発に時間のかかるオンラインコースや教室での集合研修よりもはるかに早く、高品質でビジネスクリティカルな学習が可能になります。



まとめ


私たちDegreedは、何百ものお客様がラーニング・アジリティの旅をナビゲートするのを支援してきました。Degreedは、貴社のお手伝いもできることに興奮しています。準備ができましたら、いつでもご連絡いただき、リュックサックに入れるパッキングリストを作成し、一緒に頂上を目指しましょう。


 

By Kristin Hull, December 20, 2022

 

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