140年の歴史を持つプルデンシャル社は金融サービス業の巨人であり、いわゆるインテリジェントな自動化の改革に取り組んでおり、自動化への対応がビジネス効率につながるためです。ハーバードビジネススクールのJoe Fuller氏がプルデンシャル社のRobert Falzon副会長に最近行ったポッドキャストインタビューで、50,000人の従業員の能力を高めるというプルデンシャル社の取り組みを、スキルと社内モビリティ(人材の再配置)に裏打ちされた戦略として共有してくれました。
タレント(人材)は、私たちが持つ、そしてあらゆる企業が持つ持続可能な唯一の競争上の優位性です。
プルデンシャル社 副会長 Robert Falzon
プルデンシャル社内での機会
その戦略はデータ、特にプルデンシャル社のアメリカ人労働者への調査によって裏付けられています。調査では、スキルと能力開発の責任者は誰かと尋ねており、回答者はまず自分自身が責任を持つと言い、次に企業とマネージャーと言っています。
では個人がスキルを伸ばすのを妨げているものは何でしょうか。まず費用に対する不安(たとえば伝統的な大学教育や高価な資格認定)、そして何を勉強すべきか、誰を信頼できるパートナーにすることができるかわからないという不安。またはもっとシンプルに自分に実際必要なスキルがわからないと回答しています。
プルデンシャル社の同じ調査によると、回答者の80%は、テクノロジーの導入が企業の成長に貢献し、企業の効率を向上させると同意しています。驚くべきことに95%が仕事の大部分がテクノロジーに取って代わられるとは信じておらず、回答者はテクノロジーに脅かされていないということです。しかしテクノロジーの発展により、回答者の30%は今必要とされるスキルを持っているとは考えておらず、50%の回答者が10年先に必要とされるスキルを持っていないようになると考えています。
スキル戦略ソリューション
Falzon副会長は、プルデンシャル社を「今日の人材育成に費やしている既存の投資額で米国内のビジネス規模を2倍に」したいと述べており、それは効率化と自動化によりもたらされます。
そのニーズを満たすために、プルデンシャル社はスキルの棚卸をしています。それは、ビジネスや会社の機能が今後3〜5年間後にどのようになるべきかを把握するための先見的な取り組みから始まります。その取り組みは、会社のビジョンを満たす新しく必要なスキル(履歴書でも経験でも表せないこれからのスキル)を特定するための作業から始まります。
Falzon副会長は、上記は簡単な作業ではないので作業をサポートするためのテクノロジーに注目したといっています。人工知能(AI)と組み合わせた大規模なデータベースを使用して、何千ものジョブディスクリプションと個人の履歴書をスキャンし、その仕事に必要なスキルへと変換しています。また個人個人がアウトプットされた情報を適宜編集することができ、さらにその情報をAIは学習します。
魔法のようなことは本当に起こります。その仕事のスキル要件と従業員の持つスキルとを適合し始め、その人に最も適格な仕事の機会を提示するようになります。Falzon副会長は「従業員自身が実際に適格である考えたことがない仕事、もしくはいくつかの段階的なトレーニングにより遂行する資格を得ることができる仕事の機会がもたらされるようになります。」と語っています。
これはかなり強力です。プルデンシャル社が使用しているデータベースとAIテクノロジーソリューションを構築する能力を持っていなくても、その力を利用することができます。Degreedはまさにそのためにあり、Degreedの強みです。
Degreedのプロセスは、スキルを職務にマッピングすることから始まります。これは、Degreedのラーニングエクスペリエンスプラットフォーム(LXP)の重要な機能です。またスキルを職務にマッピングするプロセスは、Degreedテクノロジーと共に導入チームが、お客様の新しいスキル戦略作成を支援するプロセスでもあります。Adeptoの機能をDegreedに最近実装したので、スキル、候補者、職務、プロジェクトといった社内モビリティ(人材の再配置)の機能的な構造と、データドリブン型の学習とアップスキリングのアプローチを実現する完全なサイクルを構築できます。
成功を収める
Falzon副会長は、今あるテクノロジーに関係なく、スキル戦略を成功させるための3つの基本的なカギを共有してくれました。
タレント(人材)は商品ではなく、資産と考えてください。貴社の人材にコミットし、投資することで、組織に利益がもたらされます。
あまりに先に進みすぎないことです。3年か5年先を見通せれば十分です。あまり先だと見通せなくなってしまいます。顧客と話し、期待に応えられていない場所を見つけ、他の業界も見て、タイムリーな調査結果を精査し、計画を立てることです。
社内モビリティ(人材の再配置)に焦点を当てることです。プルデンシャル社では、個人がスキル開発するために実環境で学習・練習する機会を提供する徒弟制度を通して行い、うまく働けないかもしれない新人・中途採用者の採用リスクを取り除きます。徒弟制度プログラムは新しいものですが、Falzon副会長は「組織内のエネルギーは期待以上です」と述べています。
プルデンシャル社の同じ調査では、今日の世代は転職を好むという一般的な神話とは異なり、従業員は今の企業に留まり、キャリアを成長させたいという傾向が出ています。この傾向は、上記の成功への最初のカギである、タレント(人材)への投資と合致します。タレント(人材)への投資は、人材の離職に関連するコストと時間を削減し、組織の目標へと導きます。離職させることなく、従業員のキャリアを成長させ、新しいスキルを組織に生かせるようになるので、従業員は個人的および専門的な目標を重要視する傾向になります。
Falzon副会長は元々プルデンシャル社のCFOだったので、タレント(人材)への再投資という説得力のある価値提案を見てきました。しかし価値はそれだけではありません。従業員をケアし、組織成功のために従業員の役割は不可欠というメッセージを社内に発信すると、エンゲージメントが飛躍的に高まります。従業員のエンゲージメントは、顧客満足度につながり、さらに収益性の向上につながり、そして株主の期待にもつながります。
従業員が持つ既存スキルをいかにベンチマークするのか、新しく必要になるスキルの特定、タレント(人材)マーケットプレイスの構築方法は、Guide to Emerging Skillsをダウンロードしてご覧ください。
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By Kristi Broom, Director Of Client Engagement- Growth
May 20, 2020
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