Unileverは、Dove、Lipton、Hellman’s、Axe、Ben&Jerry’sなどのブランドで有名です。複数の製品ではないにしても、おそらくUnilever製品の一つは使ったことがあるかと思います。100か国以上の14万人の従業員を擁する消費財企業は、無数の競争相手、複雑なサプライチェーン、変化する消費者の嗜好に継続的に適応する必要があります。
継続するために、Unileverの従業員は常に学んでいます。以前は、Unileverのような規模ではあまりに費用がかかり、一貫性がある環境は作り出せませんでした。しかし、同社は3年かけて学習戦略を変革し、深い感銘を与える結果を生み出しました。
Unileverは、Degreedを使って従業員のスキルとエンゲージメントを維持しています。このチャートから、2017年から2019年までの平均Degreedログインの増加を確認できます。
エンゲージメントとアクティビティは飛躍的に増加しており、従業員の満足度は急速に高まっています。またコストはコントロールされています。UnileverのグローバルラーニングイノベーションディレクターであるNicola Braden氏は、最近のラーニングテクノロジーサミットでこのシフトをどのように導いたかを5つの戦略的ステップでまとめました。
1. 「なぜ」という理由からスタートする
「私たちは従業員が生活し続け、キャリアを持ち続けられるように支援することに本当に情熱を傾けています。私たちのような規模の企業では、古い方法で従業員にコースを割り当て、ありきたりな学習を提供するのであれば、多くの従業員がその方法を必要とするかもしれませんが、それでもおそらくその方法では従業員のニーズには応えられないでしょう。」とBraden氏は述べています。
Unileverは、大規模に対してどのように提供すればよいのかを理解するために従業員に耳を傾けました。従業員が好んだことと好まなかった現状について尋ねました。従業員は学びたいと思っていましたが、学習機会には一貫性がなく、アクセスしにくいという声が上がってきました。Braden氏とラーニング部門は、なぜ変更しなければならないのか、そしてどう対処しなければならないのかを理解していました。
2. 障壁に立ち向かう
従業員からのフィードバックにより、Unileverの学習提供方法が極めて混乱していることが明らかになりました。Unileverは多くのシステムを持っていましたが、それらシステムはごちゃごちゃしており、従業員が必要な学習を見つけることが困難でした。Unileverは、あらゆるシステムに存在する学習リソースに簡単にアクセスできる中央ハブとなる統合ラーニングエコシステムを必要としていました。その中心的なラーニングハブとなったのがDegreedです。
Unileverは、新しいプラットフォームをできるだけ魅力的で直感的なものにしたいと考えていました。Unileverは社内イントラネットのリンクを投稿でき、シングルサインオンでセキュリティを保護し、社内の関連するコンテンツを迅速かつ継続的にパーソナライズして提供できるようにしました。
Braden氏は骨太のビジョンを持っていましたが、慎重に慎重を重ね、動きました。「私たちは従業員を圧倒しないように注意する必要がありました。段階的に導入フェーズを進め、新しい機能を徐々に導入しました。どのように従業員の助けになるのか従業員自身に理解してもらう必要があったからです。」と彼女は振り返りました。
3. 勇気をもって、そして謙虚になる
Unileverのラーニング部門にとって、デジタルラーニングプラットフォームへの移行は当初は困難でした。人事部以外にも従業員のコントロール権を解放したので、ラーニング部門は謙虚になり、考え方を変えなければなりませんでした。オンラインラーニングエコシステムでは、誰もが自分の学習をウォッチでき、コンテンツを学習し、進捗状況を確認できます。
しかし、新しいプラットフォームは会社全体の大きな変化を促進することを目的としていたため、ラーニング部門も勇気を持って進まなければなりませんでした。重要だったのは、ラーニングテクノロジーを戦略的にそろえていくことでした。
テクノロジーは、個人と会社の両方に役立つようにデザインされました。パーソナライゼーションにより、関連するコンテンツがユーザー毎に提供されると同時に、会社全体がフォーカスするパフォーマンスの向上をサポートすることが可能になります。スキルレビュー機能は、従業員を現在のスキルレベルをトラッキングし、スキルに関する組織全体のマップとして集約しました。従業員は、Unileverの戦略的計画を推進する、優れたキャリア開発を体験できました。
4. エクスペリエンスを形成する
一部の人は当初、デジタルソリューションがラーニングエクスペリエンスを薄めてしまうのでは?と心配していましたが、Unileverは新しいラーニングエコシステムがより没入型でコラボレーティブであることを理解しました。
戦略の中心は、「tribes」と呼ばれる学習グループを形成することでした。「私たちは学習グループを従業員がお互いに共通するスキル領域や、地理的に同じ場所だったり、同じ部門だったり、特定のビジネス上の先進的取組にフォーカスしているなどの共通点を中心に形成してきました。従業員はムーブメントの一部であるという感覚を持っており、トレーニングコースに比べ、より参加型でした。」とBraden氏は説明しました。
また社内告知も重要でした。Unileverはタウンホールミーティングを開催したり、学習開始を告知するロードショーを行ったり、ヘルプデスクを設置したり、ラインマネージャー達と協力しました。Unileverはアップデートを皆と共有するために、オンラインキャラクターさえ作りました。「このキャラクターはとても活気があり、実際にかなり大きな影響力を持っています。彼はUnileverで最もフォローされている人です!」とBraden氏は共有してくれました。
従業員がログインし始めると、Unileverは表彰と報酬への取り組みを促進しました。人気のある取り組みは、各国の支社毎で行う、影響を与える学習をいかに多く他社に推奨できるかを競う国際競争でした。またUnileverは最も多く学習したユーザーにも賞を与えました。
5.パートナーシップを構築する
DegreedはBraden氏とラーニング部門に最先端の分析データを提供しますが、データをあえて自分たちでは蓄積していませんでした。「私たちは人事部門、タレント部門、事業部などの他部門と非常に幅広く連携しています。それは、私たちにとって、ダッシュボード、メトリック、フィードバックなどを各部門が見れるようにすることでした。それにより各部門は自分で何が起こっているのかを見ることができます。各部門は自分たちの進捗状況を確認し、重点的に取り組む必要のある領域を見つけることができます。」とBraden氏は共有してくれました。
もう1つの重要な関係は、Unileverの一般従業員との関係です。ラーニング部門はYammerを使って一般従業員とコミュニケーションできるようにし、どの従業員からのアイデア、質問、フィードバックをいつでも歓迎しています。
結果は物語っています。「私たちは毎年エンゲージメント調査を行っていますが、今年の学習のアクセシビリティに関する回答は、調査の中で2番目に高い肯定的なフィードバックでした。」とBraden氏は言います。
最後に、適切なベンダーとのパートナーシップは、Unileverの成功の礎となっています。「Degreedとの関係は非常に重要でした。貴社と共にするベンダーを選び、貴社のミッションと貴社が作ろうとしている文化の変化に沿ったものをデザインしてください。」とBraden氏は締めくくってくれました。
最適なベンダーをお探しの場合は、Buyer’s Guide to Talent Development Technologyも確認いただき、貴社に最適なソリューションを見つけてください。
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By Nick Welna, Writer
July 9, 2020
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