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執筆者の写真DISCE

eラーニングストーリーボードのベストプラクティス

更新日:2023年11月22日


eラーニング関連のブログ記事を読まれている人なら、おそらくストーリーボードという言葉を聞いたことがあるではないでしょうか。しかし、ストーリーボードとは正確には何を指すのでしょうか?ストーリーボードは、スライドベースのeラーニングプロジェクトの重要なプランニングのステップであり、コースを実際に開発する前に青写真を作成することです。スライドベースのeラーニングコースの開発には、内容、ナビゲーション、ビジュアルデザインなど様々な要素があります。後戻りしてやり直すのが困難、または時間がかかってしまう前に、正しい軌道に乗っていることを確認するためにも、eラーニングのストーリーボードを作成することをお勧めします。

RiseなどのWebアプリケーションベースのオーサリングツールを使用している場合は、ストーリーボードフェーズはスキップして直接開発に進むことができます。ナビゲーションとデザインが事前定義されているため内容に集中できますし、Riseでのコース作成は非常にスピーディで簡単なので、後で変更などがあっても問題ありません。

このブログ記事では、スライドベースのコースのストーリーボードプロセスに焦点を当てます。詳しく見てみましょう。

ストーリーボードプランニング

コースのストーリーボードの情報量とスコープ範囲を定義するために次のプランニングステップが参考になります。おそらくプロジェクトの準備中にこれらについて何気なく考えていると思いますが、プロジェクトのすべての利害関係者、目的、リソースの全体像を把握できるように情報を文書化することが重要です。ストーリーボードをプランニングするには、次のことを行う必要があります。

1.プロジェクトチームの定義

プロジェクトのすべての利害関係者と参加者を特定し、グループでの各役割を明確に伝えます。この情報は、ストーリーボードに必要な詳細事項を決定するために重要です。例えば、ストーリーボードを作成する人とコンテンツを開発する人が異なる場合は、開発者がコースを構築する際に必要なすべての情報が含まれている必要があります。

2.実現可能性のチェック

ストーリーボードを作成する前に、使用するアプリとチームがどのようなスキルを持っているかを確認し、すべてのものがプロジェクトで実際に実行可能であることを確認します。

3.インストラクショナルデザイン

コースに含めたい学習活動と、それらの順序付けをどのようにするかを計画します。クライアントが特定内容の演習を念頭に置いているかなどを事前に確認して、コース設計時にそれらを組み込むことができます。

4.使用するアプリの決定

ストーリーボードを作成方法に正解・不正解はありません。Wordで作成する人もいれば、PowerPointを使用する人もいれば、ストーリーボードをオーサリングツールで直接作成する人もいます。

またプロジェクトによっては、自分でフォーマットを選択できる場合とできない場合があります。使用するツールを指示するのはクライアントです。筆者の場合、許容されているのであれば、オーサリングツールで直接ストーリーボードを作成することを好み、通常Storylineを使います。ツールで直接作成することは時間の節約になると思います。なぜならプロセスの後半で内容をコピーする必要がなくなるからです。

これらのプランニングステップに時間と労力を費やすことは、コストのかかる修正作業を回避でき、プロジェクト全体で見れば十分に価値があります。以上の4つのステップが完了すると、ストーリーボードを作成する準備が整います。

ストーリーボードの作成

すべての具体的または想定した情報を形として組み立てることができます。筆者のようなクリエイティブギークならきっと満足するでしょう。ストーリーボードを作成するには、次のステップを行う必要があります。

5.気に入ったテンプレートを使う

一から作成する必要はありません。気に入ったテンプレートがあり、使い慣れている場合は、それを使用してください。そうでない場合は、無料のストーリーボードテンプレートを参照して、気に入ったものがあればご利用ください。E-Learning Heroesフォーラムのスレッドを投稿して、ストーリーボードテンプレートを求めることもできます。Articulateコミュニティの人々がすぐにサンプルを提供してくれるかもしれません。

6.Goldilocksアプローチを使う(バランスをとる)

チームや関係者に、ナビゲーションやリンク、メディア、テキスト、インタラクション、画面上の要素、プログラミングに関する十分な情報を提供するために、適切なバランスをとってください。細かさのレベルは、最終的にストーリーボードからコースを誰が構築するかによって異なります。もしあなたが直接コースを構築するのであれば、イメージしているアニメーションを詳細に説明する必要はおそらくないでしょう。ただし、ストーリーボードを別なコース開発者に渡す場合は、最終結果が意図したとおりになるように関連する情報をすべて含めるべきです。

7.ビジュアルマップを含めることを検討する

コースに複雑な分岐、または動的な部分がある場合は、視覚的なマップを作成して、学習者が意思決定し、分岐するポイントを理解できるようにします。スプレッドシートで行番号や参照情報をたどるよりも、ナビゲーションフローを確認する方が簡単で分かりやすい場合があります。その場合にはStorylineの1つのスライド上にコース全体のスライド群を表す四角形を配置し、矢印を使用して分岐を表すビジュアルマップを作成します。または各スライドとStorylineの分岐機能で分岐シナリオを構築し、「ストーリービュー」のスクリーンショットを撮ることでマップを表すことができます。

8.ストーリーボードで参照ラベルを使用する

数値、文字、英数字など、各スライドに参照ラベルを付けます。例えば最初のスライドにはA001、次のスライドにはA002、A003というようなラベルを付けます。次に、コースのプロトタイプを作成する時に、これらの参照ラベルを含めることができます。これによりストーリーボードのスライドを実際構築するコースのスライドに簡単にマッピングできます。参照ラベルはスライドの順序を変更する場合に特に便利です。

この時点では実際のコースを作成するわけではないので詳細情報まで取り掛からないでください。このステップでは単にコースのフレームワークとスコープを確認するための概要レベルです。

ストーリーボードを使う

ストーリーボードの素晴らしいところは、プロジェクトの最初に作成し、二度と使わないということではありません。ストーリーボードは、プロジェクトの方向性をチームと合致させるために頻繁に使用するツールです。コースの作成を始める前に、ストーリーボードを使用して次のことを行う必要があります。

9.レビューチェックポイントとして

上記で定義したように、確認と承認のためにチームにストーリーボードを配布します。そうすることで、プロジェクトの方向性とアプローチに関してコンセンサスが取れ、途中で方向転換するのが困難でコストがかかる場合には、構築に入る前にスコープと設計の問題を具体化するのに役立ちます。

ストーリーボード作成にStorylineを使用している場合は、ストーリーボードをArticulate Reviewにパブリッシュすると、チームメンバーが直接コメントすることができます。

Wordなど変更履歴機能を備えたツールを使用している場合は、ストーリーボードを配布する前に必ず機能を有効にして、変更履歴を簡単に確認できるようにします。

10.クライアントのフィードバックを統合する

Articulate Reviewを使用している場合は、フィードバックはすべて1か所にまとめられるのでレビュー担当者にフィードバックを統合するよう依頼する必要はありません。

WordやPowerPointなどの別のツールを使用している場合は、すべてのコメントが関係者全員で共有されるように、Google DocsやGoogle Slidesなど、よりコラボレイティブなものに切り替えることを検討してください。そうしないと同じストーリーボードなのに異なる複数バージョンができてしまい、それらを統合するのに時間がかかり、時間の無駄になってしまいます。

また効率性の観点から長期間にわたるレビュープロセスでは、断片的ではなく、特定の日付までにReviewやGoogle Docsなど1か所で網羅的にフィードバックを収集することをお勧めします。

11.効率的な開発方法を見つける

コースの作成準備をする時に、ストーリーボード順に作成する必要はありません。重複しないセクションを特定し、それらをチームメンバーが並行して開発することができます。チームメンバーが順番にセクションを作成するのを待つのではなく、重複しない個別セクションを共同で作業できるということです。どのような作業をいつ行うかを管理する必要がありますが、多くの場合、一度に複数のセクションを作成できる可能性があります。

ストーリーボードを完成させると、あなたとチームはコースの外観、手ごたえ、機能を包括的に把握できます。ストーリーボードで内容と構造を明確にマッピングし、準備できるため、長期的には時間を節約することもできます。ストーリーボードプロセスで検討事項を経穴できるので、その後のコース作成は簡単で速くなります。


 

株式会社ディーシェは日本におけるArticulate製品の販売代理店です

 

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